ようこそ、
「半導体攻略クエスト」へ!
半導体は私たちの生活を
根底から支えているが、
その働きや重要性は
一見謎に満ちている。
ここでは、
その謎を解き明かし、
半導体のキホンを学んでいこう。
さあ、きみも新たな知識の
冒険に出よう!
INDEX
クエストⅠ
半導体とは何か?
半導体とは、「電気抵抗の大きさが、導体と絶縁体の中間にある物質」である。
文章だけではわかりにくいが、整理するとこういうことだ。
半導体を英訳すると、
semi準conductor導体
導体とは、金属や炭素のように電気をよく通す物質のことだ。
半導体は、導体と絶縁体の中間(半分)の機能を持つ物質だと理解しよう。
ただし、報道などで一般に使われている「半導体」という言葉は、ほとんどがこの半導体(物質)と電子回路を組み合わせた「半導体デバイス」のことを指しているんだ。
「半導体」には2つの意味が
あることを理解した。
- ①物質としての半導体
- ②電子回路と組み合わさった半導体=半導体デバイス
クエストⅡでは、半導体デバイスについて学ぼう
クエストⅡ
半導体デバイスとは何か?
半導体デバイスは、
どのような場面で使われているのか。
種類や使用例を解説しよう。
まず、半導体デバイスは、用途や製造
技術の違いでいくつかに分類できる。
それぞれの技術が組み合わさって
いるため、色々な分類方法がある。
ここでは大きく5つに分類しよう。
単一の機能を目的とするもの
種類があり、ほぼ全ての電化製品で
使用されているんだ。
圧力や加速度など物理現象を検知・検出するもの
光を電気信号に変えたり、電気信号を光信号に変換するもの
アナログ信号(音、光、熱、力などの物理的情報)を扱うもの
各部品に送る
アナログ信号を「1と0」で数値化したデジタル信号を扱うもの
半導体デバイスの
種類や使用例を理解した。
クエストⅢ
半導体の進化
半導体デバイスの進化は、
技術の進歩とともに
可能な限りサイズを小さくする
「微細化」の歴史を歩んできた。
この進化をけん引してきた経験則が「ムーアの法則」だ。
ムーアの法則 とは?
1965年
(のちにインテル共同創設者となる)
フェアチャイルドセミコンダクターの
ゴードン・ムーアが提唱
微細化技術の発展によって、
半導体の集積回路上のトランジスタ数が約2年ごとに倍増するという法則
身近な例で説明しよう。
きみの部屋には本棚がある。
最初は本が少なくて、棚の半分しか埋まっていない。
でも、2年後には本が倍になって、棚がいっぱいになる。
さらに2年後、もし本棚のサイズをそのままにしておくと、本が入りきらない。
ここで仲間の魔法使いの「魔法」を使って、本棚のサイズはそのままに、本を半分の大きさに小さくすることができたとしよう。
すると、また新しい本を同じ数だけ置くことができる。
2年ごとにこの「魔法」を使えば、どんどん多くの本を置くことができるようになる。
この話の「本」がトランジスタ、そして「本棚」がチップ(半導体の集積回路)にあたる。
そして、この「魔法」が微細化技術であり、現実の世界では半導体エンジニアたちの地道な努力と革新によって実現されている。
かつては、1μm(マイクロメートル)といって髪の毛の直径の約100分の1ほどの大きさだった回路素子の線幅をどんどん小さくして、数十nm(ナノメートル)まで微細化を進めてきた。これは髪の毛の直径の約数千分の1という、目に見えないほど微細な大きさだ。さらに3次元(縦方向)にも構造を工夫することで、単位面積あたりのトランジスタの数は、1mm2(平方ミリメートル)あたり、2~3億個に達している。
この技術の進歩によって、1つのチップには数十億ものトランジスタが詰め込まれ、それによって電子機器はより速く、賢く、効率的に動作するようになる。
この技術革新が、きみがゲームをプレイするときの速さや、スマートフォンのバッテリー寿命、さらには医療技術の進歩にまで影響を与えているんだ。
半導体の微細化の歴史を
理解した。
(魔法使いが仲間になった)
Rapidus社次世代半導体
プロジェクトとは?
千歳市で次世代半導体の量産化を
目指しているRapidus社。
一体どんな会社で、
何を作ろうとしているのか。
そして、私たちの生活は
どう変わっていくのか。
半導体の謎に挑む「勇者」と
一緒に解き明かしてみよう!
半導体が進化すると街はどのように変わるのだろう?もしかしたら、きみの生活も大きく変わるかもしれない。未来の街を少しだけのぞいてみよう!
下の画像内の▼をクリックすると、未来の情報が表示されます。
※未来の情報はイメージです。
次世代半導体を製造している工場。周囲の自然環境と調和したデザインの工場では、大部分が自動化された製造ラインで、人工知能(AI)などに使われる最先端の半導体が生産されている。
搭乗情報と位置情報から保安検査までの時間が自動通知され、搭乗までの最短ルートを提示。高度なセキュリティシステムにより顔認識や生体認証が迅速かつ正確に行われているため、搭乗時はチケットなどは何も持たずに搭乗できる。
次世代半導体を用いた高精度な診察機器やロボット手術システムの導入が進み、診断や治療の精度が向上している。また、遠隔医療が普及し、場所や時間の制約を超えた医療サービスが提供が可能になっている。
AIを用いた学習支援システムが導入され、生徒一人ひとりの学習進度や理解度に応じてカスタマイズされた教材が提供されている。ARゴーグルなどを用いて、教室にいながら世界中の様々なモノ・コトを体験できる。
高速データ処理により、行政手続きのオンライン化が進み、住民は自宅にいながら仮想空間で手続きを完了することができる。市民からの問合せにはAIが迅速かつ正確に回答してくれる。
次世代半導体を搭載したスマートホームハブが家全体のデバイスを統合管理するようになり、照明・空調・セキュリティ・エンターテインメントなどを全て一括で管理できる。センサ技術とAIにより、体温や室温を自動検知して常に快適な環境が維持される。
完全自動運転システムが実現し、交通事故の減少や渋滞の緩和に役立っている。交通システムに全車が接続しており、目的地までの最短ルートが瞬時に導き出され、ストレスフリーなドライブ環境が実現する。
私たちの日常生活は、
見えない小さな英雄
「半導体」によって支えられている。
スマートフォンやパソコン、
テレビから自動車に至るまで、
あらゆる最先端技術の心臓部には
この半導体が存在している。
しかし、その存在は日々の忙しさの中で
あまり意識することがないだろう。
半導体があるおかげで、
私たちは情報を瞬時に世界中に送ったり、
受け取ったりできる。
また、医療機器を通じて健康を守り、
スマートホームで快適な生活を送ることもできる。
この微細な技術は、
きみの未来にもきっと大きな影響を与える。
自動運転車、人工知能、
さらには宇宙探査に至るまで、
半導体は新しい世界を切り開く鍵となるだろう。
このサイトを通じて、
半導体の世界に少しでも興味を持ってくれることを
願っている。
きみがこれからどんな分野に進むにしても、
半導体はそこにあることだろう。
未来を形作るこの重要な技術に、
ぜひ関心を持ち続けてほしい。
私たちの世界は、
見えない英雄たちによって
支えられているのだから‥‥
本サイトの記載内容は下記を参考にしています。
- 内富 直隆
-
半導体が一番わかる(しくみ図解)
- |技術評論社|2014年|208p
- すなだ ゆか
-
半導体を学べば、ニュースが10倍「面白く」なる
- |NEWS PICKS|2020年11月30日
- https://newspicks.com/news/5407988
- (参照2023年11月21日)